2012年11月7日水曜日

鉄芸トークシリーズ2/日本とドイツにおける「演劇と政治」

先日もお伝えした、ラボカフェスペシャル&鉄芸トークシリーズ。昨日11月6日に第二弾を行いました。今回は、メインアーティストであるやなぎみわさんとの対談相手として、ドイツ現代演劇を研究する市川明氏と、「駅の劇場」にも参加する劇作・演出家のあごうさとしさんをお迎えし、演劇とはなにか、また演劇と政治の関係性はどうあるべきなのかといったお話しを伺いました。





今回ゲストに来て頂いたあごうさとしさんは、昨年からずっと一人芝居を行っていらっしゃいます。”演劇は複製できるのか”をテーマとし、演劇に必要な要素とはなにかを実験しながら作品をつくられています。「極端な話、役者がいればできる」という演劇から、では役者の身体を取り除いたとき、それはどういったものになるのか。それでもお客さんの頭の中に劇場を作り出すことは出来るのか。

そのようなあごうさんの実験的な試みについて、演劇から現代美術の領域へと入っていっていると評されたやなぎさん。美術から演劇の世界に入っていったやなぎさんと、逆に演劇から現代美術の世界へと入ったあごうさん。そんな交差している道を行かれるお二人が、この同じ空間で作品を制作・発表されることに、とてもドキドキしてしまいました。


また、そんな演劇と美術の最先端で実験を行いながら作品をつくられているお二人の試みについて、本当に成功してほしいと語っていらっしゃったのが市川さん。研究されていらっしゃるドイツ演劇の歴史を引き合いに出されながら、演劇や芸術の前衛にいる人が、政治の前衛を引っぱっていくことができるのだということ、そしてお二人がぜひそうなって欲しい、とお話しされていらっしゃいました。

社会情勢、その時々の美術の在り方、絶え間なく変化していく価値観。そういった様々なものを全て束ねていく、総合芸術としての演劇。そしてその演劇自体もどんどん変化し、実験によって新しい形が生まれていきます。そのような作品が今まさにつくられている最中ということで、本当に公演日が楽しみになる様なトークでした。


そんな鉄道芸術祭がますます面白くなるトークシリーズ。次回第3回は、維新派公演の後にアフタートークとして行います。(公演チケットは既に完売となっております、何卒ご了承ください。)

第4回は「鉄道とクラシック音楽」と題して11月20日に開催致します。日本センチュリー交響楽団メンバープレゼンツとして毎月行われている「ミュージックカフェ」。今回はこのアフタートークとして行います。クラシックのコンサートと合わせて、ぜひお楽しみください。


///////////// 次回予告 /////////////////////////////////////

ラボカフェスペシャル&鉄芸トークシリーズ4
「鉄道とクラシック音楽」

日時:11月20日(火)14:00 - 17:00
ゲスト:伊東信宏(音楽学者・大阪大学文学研究科教授)
    やなぎみわ(美術作家・鉄道芸術祭メインアーティスト)
    山口明洋(日本センチュリー交響楽団ステージマネージャー)
カフェマスター:木ノ下智恵子(大阪大学CSCD教員・アートエリアB1運営委員)

※14:00から(第一部)日本センチュリー交響楽団メンバープレゼンツ
 「ミュージックカフェ」弦楽五重奏のミニ・コンサートを開催。

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