2012年11月2日金曜日

「アヴァンギャルド/異色文化/アジア」

10月31日、ラボカフェスペシャル&鉄芸トークシリーズ 第1弾を開催しました。

会期終了まで8回の開催を予定しているトークシリーズの第1弾は、
ロシアアバンギャルドの演劇を中心に演劇学を研究される大阪大学文学研究科長の永田靖さんと、本展の芸術監督を務めるやなぎみわさんの対談をお送りしました。

やなぎさんのご希望で実現した今回のトーク。
初対面のお二人による、美術から演劇、またロシアから日本を行き来する
お話が次々に展開し、
12/23、24に上演するやなぎさんの演劇公演への期待が膨らむトークになりました。


やなぎさんが生身の人をギャラリーで“展示”した初個展から写真作品のシリーズ、
そして演劇プロジェクトの紹介。
初個展の頃から、常に物語性やパフォーマンス性があり、
初期作から演劇作品まで、やなぎさんの作品の根底にあるものに大きな違いはないですよね、と永田さん。
決められた言葉や行為を繰り返す、ロボットのような人間を表現してきたやなぎさんと、12月の演劇公演で共演する「ジェミノイド」 が出会ったのは、
必然的であったような気もしてしまいます。


京都造形大学の教員でもあるやなぎさん。
ちょうど授業ではチェーホフを扱われているというところから、お話は
19世紀のロシアを代表するチェーホフへ。
チェーホフは、部屋と部屋の継ぎの間や、部屋と庭の間、入りやすく出やすい場所など中間的な場所をよく用いたそう。そのような境界が曖昧な場所を舞台に、滅び行く雰囲気を漂わせながら終わっていくチェーホフ作品を日本人は非常に好んだといいます。


出入り自由の中間領域、まさしくアートエリアB1もそんなスペースですし、
会場のモチーフである“鉄道駅”という空間もそうかもしれません。
人々が目的地へと向かうための中継地点。

そんな駅コンコースという場所に設けられた“鉄道駅”を舞台に
繰り広げられるパフォーマンスや演劇公演が、さらにグッと興味深いものになりました。


さて、次回のラボカフェスペシャル&鉄芸トークシリーズ2は、
ロシアからドイツへと移ります。
 「日本とドイツにおける『演劇と政治』」。
ドイツ現代演劇を研究されている市川明さんと、本展ゲストアーティストのあごうさとしさん、そしてやなぎみわさんを迎えます。

本展で開催される公演をグググッと奥まで楽しめるトークシリーズ。
公演を観覧される方もそうでない方も、ぜひご参加ください。

////////////次回予告//////////////
ラボカフェスペシャル&鉄芸トークシリーズ2
 「日本とドイツにおける『演劇と政治』」

日時:11月6日(火)19:00〜21:00
ゲスト:
市川明(大阪大学文学部教授)
やなぎみわ(美術作家)
あごうさとし(劇作家・演出家)
カフェマスター(進行役):
木ノ下智恵子(大阪大学CSCD教員・アートエリアB1運営委員)

「鉄道芸術祭」のメインアーティストやなぎみわと研究者による対話シリーズ。第2弾は、ブレヒトとハイナー・ミュラーを中心にドイツ現代演劇を研究する市 川明さんと「駅の劇場」にも参加する劇作・演出家あごうさとしさんをゲストに迎え、戯曲と演劇・劇場空間・総合芸術としての演劇など、多岐にわたる視点で 語り合います。


鉄道芸術祭vol.2
やなぎみわプロデュース「駅の劇場」
〜12月24日(月・祝)
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